2000年、東京都美術館を皮切りに全国巡回した「モナ・リザ100の微笑」展、図録
美術史における一種のアイドル、絶対的な美のイコンであるレオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》が、誕生以来どのような存在であり続けたかを今一度再考し、総覧する面白い一冊。
弟子たちのリスペクトを込めた「習作・修練・模写」から始まり、はがきや切手など商品への「イメージの借用・引用」が始まる19世紀、モナ・リザそのものの意味をコンセプチュアルに問いただし始める20世紀の近代美術、そして現代美術へ、と時代ごとにモナ・リザのイメージの変容を辿ることが出来る。
特に重要な位置を占めるのが、マルセル・デュシャンの《L.H.O.O.Q.》(モナリザの絵葉書に落書きをしただけのレディメイト作品)であり、ここを起点にポストモダン美術のアプロプリエーション(既存イメージの借用・転用)へと展開する章を設け、芸術作品の独創性や複製、一種の権威となってしまった《モナ・リザ》を問い直す。
図録は「模写の時代」から「引用から創造へ」へと進む構成で、森村泰昌、福田美蘭、荒川修作、福田繁雄、ヨシダ・キミコらの作品も紹介。
イメージの脱構築、性やモデルの欲望、絵画における主題の消失など、異なる視点から《モナ・リザ》の文化的な影響を考察・更新してきた近現代術の試みを辿る興味深い一冊。
また、さらに詳しい作品解説・映像を収録した専用のCDーROMが付属する。
サイズ:210×305㎜
状態:経年によるスレ・キズあり、並品。付属CD-ROMあり、完品。