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夏目漱石「こころ」(名著復刻 漱石文学館)/ 日本近代文学館 (1970)

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1970年、日本近代文学館から刊行された夏目漱石による小説「こころ」初版本(岩波書店 1914〈大正3〉年)を忠実に再現した復刻本。 「先生」と「私」の交流を軸に、友情、恋愛、罪悪感、孤独、そして明治という時代の終焉を描いた長編小説。「然し、し然し君。恋は罪悪ですよ」は許されざる恋に懊悩する先生のセリフとしてあまりに有名で、高校国語の教科書で目にする機会も多かったはず。 装丁は漱石自身の手による。 序文には「ふとした動機から自分で遣つて見る気になって、箱、表紙、見返し、扉及び奥付の模様及び題字、朱印、検印ともに、悉く自分で考案して自分で描いた」との事で、「吾輩は猫である」から続く、ブックデザインに対する漱石のこだわりが垣間見える。 見返しにある「ars longa, vita brevis 」というラテン語の警句は、古代ギリシャの医学者ヒポクラテスからの引用で、直訳すれば「芸術は長く、人生は短い」だが、漱石風に意訳するなら「少年老い易く、学成り難し」あたりが適切だろうか。 また表紙には荀子の「解蔽編」から「心者形之君也而神明之主也〈心は形の君にして、神明の主なり〉」と続く漢文の一節が丸々配される。この事から、表題の「こころ」はそのまま荀子由来だろう事がわかる。 古今東西のエスプリが効いた教養人・漱石らしいブックデザインが面白い一冊。 ※「名著復刻全集」は、日本近代文学館が1969年から刊行している復刻叢書。明治・大正・昭和初期の希少な文学初版本を、装幀・判型・本文レイアウトまで可能な限り忠実に再現し、近代文学研究や出版文化研究の基本資料として広く利用されているコレクション性の高い古書シリーズ。 状態:経年によるスレ・キズあり、本体は並品。外箱にイタミ・シミ・ヤケあり。 サイズ:160×230㎜

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